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大混迷聖火リレー妨害は 英仏米と地球をまたぎ (04月09日)(水)

 晴れ9−18度C 熱海神社の大楠見学 12時57分の新幹線で帰京
 15時 案件があって舛田氏 吉野氏と要談(区内) 18時 案件があってブラック・ホールディングの春川氏と懇談(葛飾区内)
 

●北京五輪の聖火リレーは9日、最も激しい妨害が予想される米国で行われる。この聖火リレーをめぐって中国内でさらに激しい炎が上がった。
 欧米メディアの中国攻撃に反発した民族主義の噴出で、ネットは愛国一色に炎上。
 ネット炎上を嫌悪してきた政府も、この動きを持ち上げる異例の態度に出た。だが、ただでさえ愛国心を刺激する五輪前の民族主義の燃え上がりに、大暴動につながりかねない事態となっている。
 
 ≪暴徒が聖火を奪おうとした。少女は身をかがめ、自分の背で聖火を守った。暴徒が少女を殴る。警察が取り押さえる。一瞬の出来事。少女は顔を上げた。目に涙をためて。沿道の中国女性が叫ぶ。「頑張れ」≫
 パリでのリレー妨害を目撃したとする人が中国最大のネット掲示板に書き込んだ文だ。
 ≪私も泣いた。寸鉄も帯びない障害者がなぜ殴られなければならない? どこに人道主義がある≫
 
 少女は金晶という名の中国人走者とされ、男が車いす女性の聖火を奪おうとするシーンは日本のテレビでも繰り返し流れた。
 ただ、ネットは妨害側ではなく「聖火を守る側」の目線で描写。中国国旗を振りながら沿道で応援する中国人の姿も多数掲載された。
 少女をヒロインとして称賛する声が相次いだ一方、≪国家への侮辱。
 民族の恥。皆立ち上がれ。聖火と伴走しチベット独立分子を近づけるな≫≪何が人権だ。
 中国人民への攻撃と侮辱以外の何ものでもない≫と露骨な民族主義の書き込みで塗りつぶされた。
 
 チベット騒動以来、ネットは政府批判がなりをひそめ、排外一色で異様な盛り上がりをみせている。政府系の人民ネットによると、大手掲示板には「チベットで暴徒の被害に遭った同胞を悼もう」との特別欄が設けられ、延べ1000万人以上がアクセス。犠牲になった武装警官への敬意と哀悼も寄せられたという。
 
 政府系メディアがネットユーザーの動きを取り上げること自体異例だ。学生が「アンチCNN」という欧米報道の誤りを指弾するサイトを開設し話題になった際は、新華社が「社会を反映したもので、考えさせられる」との政府報道官のコメントとともに配信した。
 
 ジャーナリストの富坂聰氏は「人々には外国は中国への攻撃材料を常に探しているとの被害者意識があった」と分析。「いつ経済発展が暗転するかとの不安のなか、唯一明るい話題の五輪まで攻撃され、『中国人はやられっぱなしでいいのか』と火が付いた。国内問題にまで飛び火すれば収拾が付かなくなる」
 
 米サンフランシスコのリレーでは市議会が「警戒と抗議をもって聖火を迎える」との決議を採択。これまでにない数の団体が抗議活動に集結する見通しで、中国国内での民族主義の過熱も必至だ。2005年の反日暴動でも政府が一時統制できない事態になった。今回はそれをはるかに上回る盛り上がりだけに、胡錦濤政権はさじ加減1つ間違えられない瀬戸際に立たされている。
 

●「権力の乱用、人事権の乱用はいただけない」──。4人目の日銀総裁・副総裁人事の不同意決定を受けて始まった9日の党首討論は、福田康夫首相が声を荒げて民主党の対応を批判すれば、小沢一郎民主党代表は、官僚支配の構図を直さなければ、日本に民主主義は定着しないと応酬。主張は平行線をたどった。
 
 9日の衆参両院本会議で、白川方明副総裁の総裁昇格は同意されたが、渡辺博史・一橋大大学院教授(前財務官)を副総裁に充てる政府案は、事実上の拒否権をもつ民主党など野党の反対で不同意となった。
 3度目の政府案提示も不調に終わり、この間、4人の総裁・副総裁候補が「不同意」となった。この結果に福田首相は「人事では翻弄(ほんろう)された」とし、「(民主党は)1つ1つ大事なことへの結論が遅い」と批判。
 
 これに対して小沢代表は、官僚支配打破が不可欠と切り返した。「天下り廃止」を反対理由とした趣旨について「現在の日本のシステムは、総裁・副総裁に必ず財務省(出身者)が入る、そういう既得権益があるからよろしくないと言っている。たとえば総理、日銀の副総裁に他省庁出身で適任者がいれば、その人をもってくるのか」とまくし立て、
 「(これが)官僚支配と行政の腐敗を生む最大の原因だ。こういう支配の構造は直さなければならない」と繰り返した。
 
 民主党が目指す国の形は、官主導ではなく民主導の国家──。
 小沢代表の説明はこれと一貫する主張だが、日銀総裁人事をめぐる民主党の見解が揺れたのも事実。鳩山幹事長は「財金分離」の原則は、副総裁ポストには当てはまらないなどと述べていた。
 ねじれ国会では与野党間の対話なしには重要政策は何1つ決まらない。
 日銀総裁人事の迷走は、自民・民主のパイプの目詰まりが深刻なことを露呈したが、4月末にはガソリンにかかる暫定税率復活をめぐる攻防が再燃するのは必至。
 政府・与党が衆院での再可決に踏み切れば、民主党が国会審議をストップさせる可能性も高まる。
 
 人事で迷走している間に、日本経済は減速感を強め、日銀は9日発表の金融経済月報で足元・先行きともに景気判断を下方修正した。
 福田首相には「どの人を出してもケチをつけるのではどうしようもない」と、重要案件がまとまらないことに愚痴(ぐち)ともあきらめともつかない感想を漏らしている時間的な余裕はもうない。待ったなしの正念場が続く。東京発 ロイター電
 

●自民党の与謝野馨前官房長官が近く、著書「堂々たる政治」(新潮新書)を出版する。党内では「ポスト福田に意欲をみせたということだろう」との声も出ている。
 
 消費税アップなど財政再建を唱える与謝野氏は、経済成長を重視する中川秀直元幹事長ら「上げ潮派」との路線対立が指摘されているが、「財政再建と成長力の強化は車の両輪だ。私は一貫して両輪路線を主張し、元祖両輪派を自任している」と強調。
 
 その上で中川氏を念頭に「夢ばかり振りまいている。政治は国民の前に堂々と増税の可否と、その使い方の選択肢を提示しなければならないはずだ」「こんなだまし討ちこそ『逃げの政治』の最たるもの」と厳しく批判している。
 
 また、ねじれ国会の打開策にも触れ「大連立でも中連立でも政界再編でもよい。要はものを決められるシステムを構築することだ」と指摘している。

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