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山口の補選に勝ちて意気あがる しかれども明日のいのち分からず (04月29日)(祭・火)

 曇り14−22度C 午前中 原稿 12時45分
 江戸川区春季俳句大会に出る(江戸川区総合文化センター)
 夜は高橋克徳「不機嫌な職場」を読む。
 

●27日の衆院山口2区補選の惨敗で、福田康夫首相の「死に体」化が加速してきた。
 総力戦で臨んだ補選は、自民新人の山本繁太郎氏(59)が民主前職の平岡秀夫氏(54)に約2万2000票差で大敗したが、それでも首相は選挙結果で示された「民意」を無視して、ガソリン税などの暫定税率復活や後期高齢者医療制度の継続に突き進む。
 内閣支持率のさらなる低下は必至で、7月のサミット後に退陣というサミット花道論が現実味を帯びてきた。
 
 「あれだけやって勝てないのだから、福田さんでは次期総選挙は絶対に戦えない」。
 27日夜、補選の結果を受け、自民党中堅は沈痛な表情だった。
 今回、自民党は空前の総力戦で臨んだ。地元選出の安倍晋三前首相が密着したほか、国民的人気のある麻生太郎前幹事長や小池百合子元防衛相らが何度も駆け付けた。
 地元入りした秘書団は連日100人。大企業の現地工場には古賀誠選対委員長が出向いた。
 
 米軍岩国基地には選挙期間中の戦闘機などの離着陸に自粛を申し入れたうえ、平岡氏が支援を求めた工場には、日本経団連から東京の本社を通じてクレームをつけた。
 最後は、山口県光市の母子殺害事件の遺族である本村洋さんまで応援に引っ張り出したほどだ。
 死力を尽くしての大敗を受け、福田首相から発せられたのは「なかなかうまくいかないようですな」。
 お得意の「他人事」発言に、ベテラン秘書は
 「国民の目線ではない。暫定税率や医療制度への怒りを理解していない。早く辞めてほしい」と言い放った。
 
 先の中堅は今回の選挙結果から、
(1)自民党が圧倒的に強かった補選での敗北
(2)首相8人を輩出した保守王国での大敗
(3)自民支持だった高齢者の離反−を取り上げ、
「自民党の基盤が完全に崩れている。この路線を続ければ福田内閣どころか、自民党が崩壊する」と危機感を募らせる。
 
 だが、福田首相は平気の平左だ。28日午後、公明党の太田昭宏代表と党首会談を行い、暫定税率復活のための租税特別措置法改正案を30日に衆院で再可決することを確認。
 27日、フジテレビ系「報道2001」の世論調査では、再議決に対して「賛成」だったのは32.6%で、「反対」は2倍近い58.2%だった。
 
 民意無視の「福田大増税」が実行されれば、原油価格の高騰による調達コストの上昇分などを合わせて1リットルあたり30円前後も値上がりし、160円を超える史上最高の価格になる。容量60リットルの乗用車の場合、満タンにすると約1800円も余計にかかる。
 
 「平成の姥捨て山」と悪評の高い後期高齢者医療制度も、福田首相は民意を無視する構えだ。26日、外遊中のモスクワ市内で「考え方は悪くない」と、改めて見直しに慎重姿勢を示した。
 現在、福田内閣の支持率は「危険水域」の20%台だが、このまま「他人事」「民意無視」が続けば、10%台に突入するのは確実だろう。
 閣僚経験者は「7月の北海道洞爺湖サミット後はどうなるか分からない」と語るが、別の中堅は「サミットまで持つのか。支持団体の突き上げで公明党が厳しくなっている」と語る。
 
 自民党内には、サミットを花道に福田首相に退陣を迫り、自民党総裁選を行って局面打開を期待する声が浮上している。その際、福田首相に「暫定税率問題」「後期高齢者医療制度問題」「消えた年金問題」の責任も背負わせるという。
 現時点で、福田首相に「死に体」状態を打開する手は見当たらない。

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