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首都圏をもしも襲えし直下型 一〇万人の死者の恐怖が (05月18日)(日)

 快晴14−22度C 午前中 原稿 13時 案件があって戸波氏 三田氏と要談(区内) 14時 徳田氏と要談(区内) 18時 二階氏 星村氏と案件があって要談(区内) 夜はマーク・J・ペン「マイクロトレンド」を読む。
 

●北京発 読売新聞  中国四川省の北川チャン族自治県で17日、大地震で出来た「土砂崩れダム」(堰(せき)止め湖)が決壊する危険性が高まり、住民が避難する騒ぎがあったが、被災地に出現した18か所の土砂崩れダムは、いずれも危険な状態だ。
 このほか、ダム391か所でも亀裂が走ったり、水漏れが起きるなど決壊の恐れがあり、被災地に今度は“水の恐怖”が急速に広がり出した。
 
 土砂崩れダムは、山崩れで岩石や土砂などが河川をせき止めて生じる。四川省水利局のサイトなどによると、北川県、青川県、徳陽市などにでき、青川県には土砂のせき止め部の高さ40〜50メートル、水深15〜18メートル、長さ5〜7キロ・メートル、水量推定500万〜700万立方メートルという巨大なものも出現した。
 18か所のうち、特に北川県の8か所が決壊の危険性が高いという。
 
 これらの土砂崩れダムが決壊すれば、下流域は洪水に襲われるため、水利省などは18の土砂崩れダムすべてに観測拠点を設け、24時間態勢で水位を観測している。決壊間近と判断すれば、下流域の住民に避難警告を出す態勢を取っている。
 一方、被害を受けた391のダムのうち、紫坪鋪(しへいほ)ダムと魯班水(ろはんすい)ダムが大型ダムで、ダム本体に亀裂が生じたほか、放水路が陥没するなどした。紫坪鋪ダムが決壊すれば、下流の都江堰の市街地は水没する。
 
 江油市ではダム135か所で亀裂が生じ、放水施設が壊れた。うち18か所は決壊寸前という。
 このほか、重慶市でもダム79か所に被害が出ており、当局は厳重な警戒を続けているという。
 

●中国四川大地震(M7.8)で、新華社は15日、死者が最終的に5万人を超える見通しを明らかにした。
 被害は拡大の一途だが、仮に同規模の直下型地震が首都圏を襲った場合、専門家は「死者は10万人に達する」と危惧し、オフィス街には帰宅難民者となったビジネスマンがあふれ返るという。
 中央防災会議の試算(M7.3)では、650万人のサラリーマンが帰宅難民となり、通勤電車並みの道路を自宅目指して歩くことを余儀なくされる。
 大地震の恐怖は、決して他人事では済まされない。
 
 新華社電によると、震源地付近で被害にあった潭斌(たんひん)さん(56)は、地震発生2時間半後に救助。
 その後、落石をよけながら道を歩き、トンネルが崩壊したため、山を登って遠回り。
 橋が壊れていれば浅瀬を渡り、約50キロを22時間かけて安全な都江堰市までたどり着いた。
 救助する武装警察の主要部隊800人も、都江堰市から約90キロの距離を約21時間かけて踏破した。
 大地震による災害で最も体力を消耗するのが、こうした最悪の状況下での長時間の徒歩移動だ。
 
 防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏は「都心を震源とした同規模の大地震では『避難所難民』『高層難民』に加え、長時間の徒歩帰宅を余儀なくされる『帰宅難民』の3種の難民が発生する。
 これらは誰もが経験したことのない、大都市特有の“災害の顔”。想像を絶する厳しい状況に“脱落”していく高齢者も続出する」と警告する。
 
 中央防災会議の試算では、23区内だけで「避難所難民」が約60万人。エレベーターの閉じ込め事故でエレベーター内や高層階から動けなくなる「高層難民」が1万2500人発生する。
 そして、ビジネスマンにとって最も深刻なのは「帰宅難民」の大発生だ。
 
 「中央防災会議の試算では、1時間に400メートルしか進めないほど混乱するとされ、郊外へ通じる幹線道路は満員電車状態(1平方メートルあたり6人以上の密度)の『帰宅難民』があふれかえる。
 環状7号線より内側にある住宅街の火災が延焼すれば、郊外への脱出ルートも断たれ、公園やコンビニでの給水やトイレもままならず、まさにサバイバル状態」(渡辺氏)
 
 防災会議が公表している混雑度ランクでは、中央区日本橋茅場町1(平成通り)をトップに、上位には中央区新川1(鍛冶橋橋通り)、千代田区大手町1(内堀通り・都道403号・内堀通りの迂回路)、港区新橋2(第一京浜)などビジネスマンが集中するオフィス街が並ぶ。
 しかも、試算は避難経路に指定された幹線道路の歩道全体を使った移動が条件だが、
 「午後の時間帯にM7.8の地震が直撃すれば、車道のみならず、歩道の大半も放置された車両や瓦解した建物、死傷者があふれて使い物にならない可能性が高い」(総務省)といい、現実はさらに悪化する可能性が強い。
 
 こうした極限状況下、生き残ったビジネスンマンの多くは、東京・丸の内を起点として千葉市役所(40.8キロ)まで14.1時間、横浜市役所(32.0キロ)まで14.7時間、さいたま市役所(25.2キロ)まで11.0時間も歩き続けなくてはならない。新宿区役所(7.6キロ)でも3.6時間を要する。
 
 混乱に拍車をかけるのが、ビジネスや旅行で一都3県(東京・埼玉・千葉・神奈川)以外から都心部を訪れている人々。国土交通省によると、首都圏以外から都心を訪れる人は2005年時点で1日平均21万人。
 こうした「帰宅不能者」が滞在場所を求めてさまようことになる。
 
 建築・住宅ジャーナリストの細野透氏は「帰宅不能者は、収容人員を大幅に超えた屋内の『避難所』や屋外の『帰宅困難者支援場所』にとどまることになる。
 ターミナル駅は交通情報を求める人々が殺到し駅外に誘導される可能性が高い。
 たとえ何キロ離れていても、交通機関が運行していそうな地点を目指してひたすら歩き続けるしかない」と解説する。
 
 続けて、「四川大地震は阪神大震災の33倍の威力。死者が10万人と想定されるなら、その10倍の致傷者が発生する。都心部では心理的にも物理的にも、まともに帰宅できる状況にはなり得ない。
 帰宅の途につける状況に達しただけでも十分で、その後のことなどは二の次」と戒める。
 
 東京都防災ホームページには、サバイバルに向けて「帰宅困難者の行動心得10か条」が掲載されている。
 中身はいますぐにでも実行できる基本的な内容だが、すべては自分の身の安全が確保できて、通常の行動ができていることが大前提だ。
 ただし、東京都はサラリーマンのとるべき行動として「事業所の従業員は救出・救助や初期消火、用援護者への手助けなど、災害時の応急活動において貴重な戦力。積極的に地域の救援活動の担い手になってほしい」と訴えている。
 
【帰宅困難者の心得10カ条】
(1)あわてず騒がず、状況確認
(2)携帯ラジオをポケットに
(3)作っておこう帰宅地図
(4)ロッカーにスニーカー
(5)机にはチョコやキャラメル
(6)事前に家族で話し合い(連絡手段、集合場所)
(7)安否確認(災害用伝言ダイヤルや遠くの親戚に連絡)
(8)歩いて帰る訓練を
(9)季節に応じた冷暖準備(携帯カイロやタオルなど)
(10)声を掛け合い、助け合おう

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