<カレンダーへ戻る
バックナンバー 

問題のさまざまありて聖火消ゆ 北京の空に花火の舞いて (08月24日)(日)

 曇り一時雨 20−26度C 午前中 原稿 13時 案件があって三田氏 加東氏と要談(葛飾区内) 16時 三越本店に行く。 夜はベック・ロレンス「北アメリカのヨーロッパ」を読む。
 

●北京24日発 時事時事通信  中国で初開催された第29回オリンピック北京大会は24日夜、当地の国家体育場(愛称・鳥の巣)で閉会式が行われて閉幕した。
 「一つの世界 一つの夢」をスローガンに掲げたスポーツの祭典。事前に懸念された大会運営の大きな混乱や、テロなどの妨害行為が北京で起きることもなく、17日間の会期を平和裏に終えた。
 
 大会には204カ国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)が参加。史上最大の規模で28競技、302種目で熱戦を展開した。誕生した世界新記録は43。
 国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は同日の総括会見で、競技が高いレベルにあったことに加え、選手中心の運営や選手村のレベルを称え、北京五輪組織委員会の大会運営を高く評価した。
 
 閉会式は午後8時(日本時間同9時)に開始。選手入場で日本選手団は、競泳平泳ぎで2大会連続2冠を遂げた北島康介(日本コカ・コーラ)が、ジャマイカ選手団は陸上男子で3種目制覇を世界新記録で達成したウサイン・ボルトが国旗を持つ。
 次回2012年の第30回オリンピック開催都市のロンドンは、五輪旗引き渡しセレモニーで英国サッカー界のスター、デービッド・ベッカムが参加してセレモニーを盛り上げる。
 
 日本選手団のメダル獲得総数は25個(金9、銀6、銅10)。1964年東京五輪と並ぶ最多の金メダル16個を獲得した前回アテネ五輪(メダル総数37個)から落ち込んだ。日本選手団が目標に掲げた「金メダル2ケタ」にも1個届かなかった。
 
 ドーピング(禁止薬物使用)は過去最大規模の4500件の検査を実施。
 判明した陽性反応は6件にとどまっており、ロゲ会長も不正撲滅への取り組みが抑止力になったと語った。
 

●北京発 産経新聞  中国共産党中央機関紙の人民日報は24日、1面の総括記事で「8月、北京は世界の舞台であった」と五輪は成功したと報じた。
 各紙も国内外の声を引用し五輪成功の権威づけに懸命だ。しかし、インターネットには批判も少なくない。
 統制された公式メディアとは違い、ネット世論を掌握しきれていない中国共産党の報道統制のほころびから、北京五輪の真実の姿がかいま見える。
 
 人民日報は「北京、五輪の日々」の記事で、「党中央、国務院の指導のもと全力を注いで開催された五輪が国際社会、各国選手、人民を満足させた」と論評した。
 開幕式、選手村、会場、交通、ボランティアに対する国際オリンピック委員会(IOC)関係者の絶賛ぶりを紹介。
 市民へのアンケート調査で99%が「なんらかの形で五輪にかかわっている」と答えた結果などを引用し、五輪には市民の積極参加があり、ボランティア意識や列に並ぶという文明的生活習慣など、市民に与えた精神的遺産も大きいと評価した。
 
 新京報、環球時報、北京青年報はシンクロナイズドスイミングの米国チームが「謝謝、中国!」と書いた横断幕を掲げ入場する写真を1面に掲載した。
 開会式での「口パク事件」や人権活動家の拘束など五輪に対するマイナス報道はほぼ統制され、陸上男子ハードルの劉翔選手の土壇場での棄権問題については「劉選手擁護」で各紙が足並みをそろえた。
 
 一方、ネット上では掲示板やブログで、外国サイトから情報を得たネットユーザーの多様な意見があふれた。
 胡錦濤国家主席も重視しているという人民日報運営の掲示板「強国論壇」では、「そんなに金をかけて五輪をするな。金持ちはそんなに多くないし、素直な人民もそんなに多くない」  「金メダルの数からすると中国は強大になった。だが、われわれが必要なのは毎日1人当たり300グラムの米と150グラムの肉だ」
 「五輪でどれほど浪費したのか。劉翔は国家のものか。五輪の総括が必要だ」
 「金メダルが増えると劉翔みたいな選手が増えるのか、たえられない」といった厳しい意見も少なくなかった。
 
 また、体操選手の年齢詐称問題については「農村では年齢を詐称して結婚することはよくあることだ」といった皮肉もあった。
 こういった五輪批判は削除の対照になっているが、現実にはその膨大な書き込みの前に削除しきれていない。
 このためネットにかいま見える国民の本音こそが、五輪の成功度をはかる裏のバロメーターといえそうだ。

<カレンダーへ戻る