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懐に銭のないころなつかしき 金かねカネの世も終りなる (09月29日)(月)

 朝から涼しい雨が降っている。7時起床 8時45分 トーヨーで打ち合わせ 9時 いつもののように江戸川区役所4階の監査委員室へ行く。執務 打ち合わせ 架電  来電 13時 退庁 13時30分 四品氏と案件があって要談(トーヨー) 15時 コジマ電気に行ってアンチウイルスソフトを購入する。 16時 彩田氏と案件があって要談(区内) 18時30分 夏目氏 森山氏と要談(葛飾区内) 夜は利倉隆「フェルメールの秘密」を読む。
 

●石坂洋次郎氏の初期の短編に『お山』というのがある。地方色豊かな、野性の息吹いているような好短編であった。
 お山というのは岩木山のことで、年に一度のお山参詣の風習の中に、少年のウブな恋をからませた物語だったと記憶する。
 
 石坂洋次郎は弘前生まれである。そこから朝夕岩木山を眺め、その習俗に浸って育った人であるから、その後の作品にも岩木山周辺がよく出てくる。
 弘前から眺めた岩木山は津軽富士と呼ばれるだけあって、まことにみごとである。
 平地に孤立した山であるから、1600メートルの山とは思えないくらい堂々として、思う存分その裾を伸ばしている。山に委しい人ならば、その頂上の部分に、いわゆる三峰三所大権現のその三峰(鳥海、岩木、巌鬼)を判然と認め得よう。
 
 この岩木山を見ながら育ったもう一人の小説家がいる。それは太宰治氏であって、この山の北側にある金木町に生まれた。
 「弘前から見るといかにも重くどっしりして、岩木山はやはり弘前のものかも知れないと思う一方、また津軽平野の金木、五所川原、木造あたりから眺めた岩木山の端正で華奢な姿も忘れられなかった」と書いている。
 
 私は北側から見た岩木山を知らない。幸い太宰さんの長編『津軽』の中に、そのみごとな描写があるから、それを借りることにしよう。
 「『や! 富士。いいなあ。』と私は叫んだ。富士ではなかった。
 津軽富士と呼ばれている1625メートルの岩木山が、満目の水田の尽きるところに、ふわりと浮んでいる。実際、軽く浮んでいる感じなのである。
 したたるほど真蒼で、富士山よりもっと女らしく、十二単衣の裾を、銀杏の葉をさかさに立てたようにぱらりとひらいて左右の均斉も正しく、静かに青空に浮んでいる。決して高い山ではないが、けれども、なかなか、透きとおるくらいに嬋娟たる美女ではある」
 
 岩木山の美しく見える土地には、米もよくみのり、美人も多いという伝説があるそうだが、それくらいこの山は津軽地方では尊ばれているのである。
 「お山参詣」という行事が古くから伝えられているのも故なきことではない。 (後略)
 
 出典:深田久弥『日本百名山』(1964年新潮社刊)の朝日文庫版から再録
 

●オックスフォード(米ミシシッピ州)発 共同通信
 米大統領候補の民主党オバマ、共和党マケイン両上院議員による初めてのテレビ討論会が26日、南部ミシシッピ州オックスフォードのミシシッピ大で開かれた。
 オバマ氏は、深刻化する一方の金融危機について「ブッシュ政権の経済失政のつけ」と強調。大統領の政策を支持していたマケイン氏を激しく批判した。
 
 これに対し、マケイン氏は共和、民主両党が金融危機対策法案をまとめるために党派を超えて協力していると訴え、危機を政争の具にすべきでないと反論。今回の大統領選で初のテレビ討論会は、冒頭から激しい攻防が繰り広げられた。
 討論会は候補者の国家指導者としての資質を有権者が判断する場として、過去の大統領選でも重要視されてきた。3回の討論会のうち、1回目のテーマは外交だが、現在最大の政治課題となっている金融危機への対応が最初に議論された。
 外交ではイラク駐留米軍の撤退、アフガニスタンやパキスタンでのテロ組織掃討作戦、イラン核問題への対応、対ロシア政策などが主要な論点。
 
 今回の討論会をめぐって、マケイン氏は24日、金融安定化に向けた具体策ができるまで討論会を延期するよう呼び掛けたが、オバマ氏は反対。
 マケイン氏は当日26日の午前中になって出席を表明し、ようやく開催が実現したという異例の事態となった。
 第2回討論会は10月7日、第3回は同15日に予定。2日には民主党のバイデン上院議員、共和党のペイリン・アラスカ州知事による副大統領候補討論会も開かれる。
 

●やはりと言うべきか、大麻に汚染された力士は1人だけではなかったらしい。
 露鵬、白露山の兄弟力士も尿検査で陽性に−。ロシア・北オセチア共和国出身の現役力士3人が解雇処分となった角界大麻汚染である。
 日本の『国技』を侵食した薬物の深刻さと捜査の難しさを浮き上がらせた今回の事件だが、最初に逮捕された元若ノ鵬(20)=処分保留で釈放=をはじめ、全面否認の露鵬と白露山も「相撲を続けたい」と執着を示し、今度は相撲協会を相手に突っ張りを続けているのだ。
 
 元若ノ鵬が逮捕された直後から、角界をめぐっては実名を挙げて「薬物をやっている」との噂が駆けめぐっていた。
 そんな状況の中で相撲協会は9月2日、抜き打ち検査を行った。
 「そもそもこの検査は、これ以上の広がりはないということを協会側が示そうとして行ったものだった」
 相撲協会関係者はそう明かす。この検査で、露鵬と白露山の2力士が「陽性」となる。シロを示そうとした結果、クロになるとは皮肉なものだ。
 
 「元若ノ鵬が逮捕されたのは8月18日。それから2週間が経ち、まさか元若ノ鵬の“二の舞”はないだろうとタカをくくっていた協会のショックは大きかったろう」(関係者)
 協会や警視庁の聴取に、露鵬と白露山は大麻の使用を全面否定。
 師匠である親方2人も「やっていないと言っている」と、弟子の言い分を盲目的に信じる“親ばか”ぶりで、顰蹙(ひんしゅく)を買った。
 結局、曲折を経て協会が下した処分は「解雇」。その後、ロスでの大麻吸引疑惑も持ち上がった露鵬は、「協会を訴えてほしい」と話しているという。
 塩谷安男弁護士は「協会の処分理由は『大麻を自己使用した』というものだったが、その事実は確認されていない」と、週明けにも協会に質問状を提出する構えだ。
 
 疑惑の発火点となった元若ノ鵬も、「相撲に戻りたい」と訴えている。それを許さない相撲協会に、「解雇は不当」と法的手段に出た。
 その元若ノ鵬の周辺からは、こんな証言も出ている。
 「勾留中、どんどんやせていった元若ノ鵬だが、そのうち慣れたのか、1回2食分をたいらげていたと聞いている」
 まげを結い、「まじめになりますので許して下さい」と相撲界復帰への思いを切々と訴える元若ノ鵬。
 反省ぶりを強調するが、突き放した見方が大勢だ。
 
 「貧しい国から来日した力士たちだが、生まれもっての体格の良さもあり、練習などほとんどしなくても幕内にいられる。
 そうすれば年2000万円くらい収入が得られるのだから、処分撤回を求めるのも当然だ」(角界関係者)
 
 逮捕された元若ノ鵬が、警視庁の取り調べに対して供述した六本木での大麻売買の“現場”は生々しい。
 「六本木のディスコで、黒人から2万円で大麻2袋を買った」
 大麻の入手先についてそう供述した元若ノ鵬は、捜査員に大麻購入までのいきさつを明かしていた。
 ディスコでは、周りにいるロシア人たちが大麻たばこを吸っていた。
 一度は断ったが、ロシア人と一緒にいた黒人に「来いよ」と言われてトイレに連れて行かれた。そこで、水パイプで大麻を吸った…。
 
 気分が良くなった元若ノ鵬は、思わず聞いてしまった。
「どうしたら買えるの?」
 黒人から手渡された2袋の大麻。価格は2万円だったという。
 定住の場所を持たず、盛り場の片隅にそのとき限りで現れる“大麻店”。
 元若ノ鵬は調べに対して、店の名前とともに、売人の名前も明かしたのだが。
 「おそらくその名前は通称名だろう。今どこにいるのか…」
 
 捜査員のため息に、薬物売買の摘発の難しさがにじむ。
「繁華街の外れにある公園のトイレなどで薬物を受け渡したり、買い手に『近くの植垣に茶封筒に入れて置いてある』と伝えるなど、売人が直接手渡さないケースも多い」(捜査幹部)
 摘発を警戒する売人は、マンションを倉庫にするなどして、売買直前まで薬物を持ち歩かない。
 連絡用には、偽造した身分証明書で買った携帯を使用。“薬物仲間”の紹介で知り合ったネットワークで、互いに名前を知らない者同士が売買している。
 そのため、「末端の薬物使用者を逮捕しても、その上の売人まで捜査を突き上げていくのが難しい」(捜査幹部)というのが現状だ。
 
 一方で、「大麻たばこと聞いて、すぐにロシア人のルートだと思った」と指摘するのは厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部だ。
 「日本では、大麻の小袋の押収は多いが、たばこの中身を大麻成分に浸す大麻たばこは珍しい。これはロシア人の船員が好む吸い方で、日本国内で流通しているとは聞いたことがない」(麻薬取締部)
 
 警視庁幹部は次のように解説する。「元若ノ鵬は14、15歳ごろ、不良仲間とロシアで初めて大麻を吸ったという。向こうでは、たばこの中身に大麻成分を浸す『ヒムカ』という大麻たばこが一般的です。元若ノ鵬はロシアに帰るたびに吸っていたと供述しました」
 ある在日ロシア人は「ロシア国内では、大麻が入ったたばこはすぐ手に入る。違法だけど、売ってもいる」と証言する。
 
 しかし、元若ノ鵬の財布から見つかった大麻たばこは、ロシア製ではなかった。ロシアのたばこに、六本木で購入した大麻を刻んで混ぜて作った模造品だったのだ。
 さらに六本木のトイレで水パイプによる吸引を“初体験”した元若ノ鵬は、この方法が気に入ったのか、警視庁は元若ノ鵬の自宅から大麻を使用した跡のある水パイプを押収している。
 その一方で、大麻たばこによる吸引も続いていた。
 「マンションで吸うときは水パイプだったが、間垣部屋ではたばこにした。いつでも吸えるように」
 ロシアで大麻を覚えた元若ノ鵬は、来日後も「故郷の味」が忘れられなかった。大麻を自ら“ロシア風味”に変えるほどまでに…。
 
 容疑を認めた元若ノ鵬はともかく、全面否認している元露鵬と元白露山兄弟について、警視庁は今後どのようにアプローチしてゆくのだろうか。
 「大麻の陽性反応が出た(相撲協会の)検査結果を証拠化し、関係者や当事者から話を聞きながら、慎重に調べを進める」
 警視庁はこう方針を示している。外堀を埋められた格好の兄弟力士が、クロを認める日は来るのか。
 疑惑と不信が渦巻く大揺れの雰囲気の中で、両国の国技館では14日から9月場所が始まった。国技の威信を取り戻すには、捜査当局による徹底捜査を望むしか方法はなさそうだ。

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