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マニフェスト実現不可能明らかに 消費税論議早くも始まる (02月13日)(土)

 このところ冷え込んで寒い日が続いている。今日も風が冷たい。 朝一時小雨のち暗い曇り 2−6度C 午前中 原稿 14時 外出 新小岩に行く のち大杉に行く そして亀戸へ行く。 
 18時 夕食会(区内) 夜は鈴木隆雄「骨から見た日本人」を読む。
 

●小生の昨秋『あすく』に掲載された短い原稿が『JAPAN PRESES』に掲載されて、いろいろと批評されていたので、念の為に再掲しておく。
 
日本が危ない              小久保 晴行 

今回の総選挙はいつもとは少し違っていた。投票当日、午後五時頃から江戸川区選挙管理委員会事務局の電話が鳴りっぱなしで、内容は「これから投票に行きたいが、投票券が無いが、どうしたら良いか?」「どこへ行ったら良いのか?」と言う初歩的な質問は、皆若い人で、恐らく初めて投票する人だった。
マスコミの予想通り民主党が大勝した。自民党の菅義偉(すがよしひで)氏がテレビで「自民党の賞味期限は小泉政権の前に終わっていたのかもしれない」と話していたのが印象的だった。
 無策で、まともな指導者のいない自民党の敗北は当然だったが、民主党の勝利は、敵失で得たものであった。
 
何故日本の政治がこのように劣化したのか?在京米国人のある政治ジャーナリストは「日本の政治は場当たり的になっています。国民は皆、毎日、真面目に自己責任を果たしているのに、政治家は財政や税制がおかしいから何も出来ないと言って無責任な『言い訳政治』をしました。
 高度成長時には、問題を先送り出来たが、今はそれも出来ないし、政治家に判断能力がなくなっています」と言う。
 
若い人を初めとして国民は閉塞感に苛まれて、前途に希望を持てなくなり「先行きはどうでも良い」と言う雰囲気が漂っている。
 年金、医療、雇用、子育て、景気、農業、そして格差の拡大に国民の間には不平と不安が満ちている。
 モノは溢れているが、現在の日本国民の精神状態は、ちょうどアメリカ軍に追い詰められて負けた一九四五年八月以降の状況に似ていて、不安に満ちている。
 
作家坂口安吾は敗戦直後、「堕落論」の最後に、「人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、墜ちぬくためには弱すぎる。
 人は正しく墜ちる道を墜ち来ることが必要なのだ。そして人の如くに日本も亦墜ちきることが必要であろう。
 墜ちきる道を墜ちきることによって、自分自身を発見し、救われなければならない。
 政治による救いなどは、上皮だけの愚にもつかないものである」と書いた。
 安吾の説く「堕落」と言う言葉は、敗戦直後の凄まじい混乱した現実を覆い尽くす「虚妄」を取り除いた上での、澄んだまなざしの「象徴」であったと私は理解する。
 
政権交代をして、日本も西欧並みの普通の国になったと言うが、我々は自分でも良く分からないうちに『衆愚の選択』をしてしまったらしい。
 考えてみると日本は『政権交代』を唱えるだけで、ドブ板選挙で大勝出来るような極めて貧しい政治文化の国に墜ちたようだ。
 小選挙区制のために、皆政治家のスケールが小さくなり、駅頭でお辞儀と握手をしていれば当選出来るような人物が多く、サラリーマン化し、上皮だけのつまらない人間たちの集まりに過ぎなくなったようだ。
 
前回の小泉郵政選挙の際の杉村大蔵君と同じようなフリーターの女の子が比例区で当選したり、公示日の三日前に立候補を決めた女性が当選している。
 何しろ当選しさえすれば、議員は約三千万円の年間報酬と三人の秘書費用約二千万円と膨大な政党交付金、議員会館と議員宿舎。
 そしてただの航空券、JR券、地下鉄券など年間一億円近いものを得る。「こんなに割の良い就職」は他にはありえない。
 
日本は六〇年前に敗戦でいったん墜ちるところまで墜ちたあと、国民の努力で漸く今日まで這い上がって来たが、ここで再び「正しくない中途半端な墜ち方」をしてしまったようだ。
 大量の得票によって、「政界の壊し屋」小沢一郎氏が実質的な国家の運営を一任されたが、果たしてどうなるのか?取りあえず、二〇一〇年度予算編成と、来夏の参議院選挙までは様子を見る必要がある。
 世界一の八六〇兆円に及ぶ財政赤字を抱えて、これからこの国を一体どうするのか?金利が一%上がれば八兆円もの支払いが増える。
 しかし今回の総選挙では誰からも真剣な論議は無かったし、民主党は「四年間消費税引き上げはしない」と言う。政策実行のための財源にはかなりの無理があるし、このままでは日本国は、地盤沈下で静かに「ぶっ壊れていく」ことになるのであろうか?
 

●2月5日と8日の両日、『朝鮮新報』紙に小生の訪朝記が掲載されたので、再掲しておく。
 
◆2010年2月5日付け『朝鮮新報』紙
 〈訪朝記 静かなる柳の京を再訪して-上-〉 困難な時代に耐えて日朝の友好進めん胸に刻みて。
 
 『昨年10月26日から31日までの日程で日朝友好促進地方議員訪朝団が朝鮮を訪問した。
 東京・江戸川区の代表監査委員として同団メンバーの一員となり訪朝した小久保晴行氏は、「朝鮮の人びとが、毎日を真面目で真剣に人間的な生活をしていることだけは確めることができた」と訪朝期間を振り返る。
 
 日本や欧米のマスコミが朝鮮の現状を「大掛りな劇場都市」「お芝居国家」と無責任にも面白おかしく表現している点についても憂慮を示す。
 一行の訪朝以降、朝鮮国内では、昨年11月30日から12月6日にかけていっせいに「通貨交換措置」が講じられ、外交では米朝の直接対話が行われるなど、めまぐるしい動きが伝えらた。
 同氏は「朝鮮の政治的な安定は東アジアの情勢にとっても極めて重要」だと述べる。
 
 「朝鮮と日本の国交正常化問題は、核、ミサイルや拉致問題などで現在最悪だが、両国間の悠久の歴史や諸文化や福祉についての友好交流促進を、もっと深めることがぜひとも必要だと痛感している」
 
 本紙編集部に寄せられた同氏の訪朝記を2回にわたって紹介する。』
 
 
 機会があって朝鮮を再訪問した。私にとっては2006年夏以来、2回目の訪朝であった。現在、日本と朝鮮とは国交がないので、ロシアか中国などを経由しないと渡航できない。
 北京の朝鮮大使館領事部で長い時間待たされたあとで少しのトラブルもあって、北京で一泊したあと、無事にビザを受領した。
 翌朝、しばしの北京の晩秋の午前を楽しんでから、午後1時の北京空港発のJS(高麗航空)152便に乗った。午後4時、ロシア製ツボレフ機は2時間足らずで平壌に着いた。
 
 平壌空港は小泉訪朝のTVニュースなどで日本でもおなじみの空港である。
 飛行場は広大だが、周辺に飛行機はわれわれの乗って行った機以外には見当たらず、ターミナルの建物には金日成主席の笑顔の肖像画が掲げられていた。
 晴天の空港周辺は一面が紅葉で黄や朱に色づき美しかった。
 空港から都心までの、ほとんど車が走っていない高速道路の銀杏並木道の翳から民家の屋根がそこここに見え隠れしていた。
 轟音を立ててばく進しているような北京の騒がしさとはうって変わって、まさに「静かなる都」である。
 
 われわれを乗せた出迎えの車列は「柳の京」と呼ばれる平壌市の都心に入ると、そのまま金日成主席の巨大な銅像のある万寿台に直行して献花をした。
 外国からの来客を真っ先に案内するのがこの場所である。銅像に献花が終わると、そろそろ夕闇のせまった宿舎の高麗ホテルに到着したが、南北閣僚級会談が行われる時にも使用されるというホテル2階の会議室で、直ちに「朝・日友好親善協会」の会長であり、同時に朝鮮労働党外交部副部長でもある金泰鐘氏との会見に臨んだ。
 部屋の入口で出迎えてくださった金会長が握手しながら開口一番「小久保さんはこの代表団で最も年上の先生ですね」と言われて恐縮した。
 
 金会長は、朝鮮が現在国内で行っている重要な国策、工業建設や農業生産拡大などの「150日戦闘」や「100日戦闘」は重要な闘いであること、「強盛大国」を目指して人民が一丸となって国家建設をしていること、6.15共同宣言や10.4宣言などに基づいて朝鮮半島の民族統一に向かってまい進していることなど当面の「政治経済の現況」「韓国との統一問題」「対外政策、対米関係」について熱っぽく語った。
 とくに最近の「日本との関係」については、小泉元首相訪朝時の平壌宣言の精神にしたがって、過去の清算をし、日朝関係を改善しようとしている朝鮮の立場はいっさい変わっていないことや、日本の過去の歴史上の犯罪的な行為についても詳細に言及しながら、これまで日本政府当局が歴史をわい曲し、反朝鮮的な行動を繰り返していると強く非難した。さらに朝鮮人民の対日感情は日増しに悪化しつつあるとも強調した。
 
 そして金会長は「対日関係がとくに最悪のなか、わざわざ共和国をお訪ねいただいたことに心から敬意を表します」と結んだ。続いてホテル3階のレストランで会長主催の夕食会に招待され、朝鮮の焼酎とビールで乾杯をした。
 
閘門も医療施設も人民の自力更生を身近に感ずる
 
 快晴の翌朝、平壌の西南、55キロにある西海閘門の参観に出かけた。ここは、大同江を堰き止めて広大な土手を築き上げた大建設事業で、81年から5年間をかけて数万人の軍人と民間人が投入されて工事が行われた。
 閘門は大同江と朝鮮西海の接点の河口に位置していて、幅が8キロ、3つの閘門と36カ所の水門を持つ越流ダムなどがある。
 この大工事のおかげで黄海南道一帯の田畑と干拓地に灌漑用システムが確立して、大同江流域の農業は塩害がなくなり、大人造湖にはかん水魚、淡水魚、貝類が繁殖し群れをなしていた。
 各閘門は数万トン級の船舶の通過が可能で、また土手には鉄道と車道と歩道があり、対岸に渡るのに数十キロの近道になったという。
 土手の上の道路には大勢の人が徒歩や自転車で行きかっていた。
 
 続いて午後には平壌産院を訪れた。平壌市の中心部にある産科、婦人科専門の大病院で、敷地6万u、入院室、研究室、実習室、医師室、看護師室など大小2千室もあり、400人の医師が常時診察治療していて、入院から薬局までがいっさい無料という。
 市内の妊産婦および全国の三つ子などの健康管理と婦人科の診断、治療の指導を行なう以外にも内科、耳鼻科などの各種専門科を備えて、婦人の健康管理を総合的に行なう婦人総合病院、婦人科研究センターや、医療従事者養成の一大基地になっているとのことであった。
 同時にこの病院には10万冊の図書と閲覧室があり、科学写真制作室や臨床資料や科学研究資料を初めとした諸資料の分析、整理、保存をしているそうだ
 
 広大な病院内を親切に案内されたが、医師も看護師も皆真剣に仕事に取り組んでいる様子が伝わって来た。年間1万5千人の新生児が誕生していて、妊産婦のためのレントゲン科から、眼科、歯科などもすべてそろっていた。三つ子が生まれると特別室に収容され、平壌で生まれる市民の第一子は、ほとんどがこの産院で誕生するそうだ。元気な赤ん坊の声が聞こえて来たのでほっとした次第である。
 平壌産院の暗い廊下を案内されながら、私は朝鮮の詩人・金尚午(1917〜92年)の詩「入院日誌より『天使』」を思い浮かべていた。
 実は、この大詩人の孫である金銀鏡さんが、今回の訪朝中、私を終始案内してくれた「朝・日友好親善協会」の通訳だった。偶然とは言いながら非常に親近感を抱いた次第である。
 
◆2月8日付け『朝鮮新報』
〈訪朝記 静かなる柳の京を再訪して-下-〉 晴れわたる板門店に銀杏樹の落ち葉の散りて秋の深まる
 
 2006年に続いて今回もまた板門店と開城市を訪問した。
 高速道路の中間点にある水曲休憩所でひと息を入れたが、中国人の観光客がバス2台で来訪し、休憩所の土産品店に群がっていた。板門店は開城市の東南8キロにある。寒村だった板門店が有名になったのは、もちろん、朝鮮戦争の停戦会談場になったためである。

 板門店のそれぞれ南北各2キロの非武装地帯(DMZ)の中心地には1951年から53年に停戦会談が行われた会議場と隣接して停戦協定調印場がある。
 停戦協定調印場は休戦ラインから約1キロ北側の広々した畑の中にあるから、軍事停戦境界線の南側からはいっさい入ることはできない。
 復元された現在の建物には当時の停戦協定調印時の机、椅子があり、朝鮮国旗と国連旗、文書の現物がプラスチックの箱の中に置いてある。
 その中に調印の際に米軍のハリソン将軍が忘れていった「国連旗」の現物があって、国連軍が再三返してくれるように言ってきたが、朝鮮側は返却しないのだと言う。
 
 一方、約1キロ南の停戦ラインが横切るところには軍事停戦委員会会議場と中立国監視委員会会議場がある。国際ニュースに常に登場するのは、この青色の建物と周辺である。
 通訳の金銀鏡さんは、会議場に入ったら突然感極まって泣き出した。
 この会談場は南北朝鮮人にとっては民族の深い思いのこもった場所なのである。
 停戦委員会会議場の建物の北側には朝鮮の「統一閣」がある。
 南側には国連軍の「自由の家」と「平和の家」や「沈床園」が見えて、南側からは大勢の日本人らしい観光客がカメラ片手に見学していた。紅葉の盛りであって、非常に静かな光景であり、この場所が世界注視の緊張の38度線上とは到底考えられない。
 
感性の磨かれし詩の優雅さに華麗と甘美の朝鮮を見る
 
 今回の訪問中、私を案内してくれた金銀鏡さんに「平壌の特産品は何ですか」と聞いたら、朝鮮特有の「縀子はどうですか」という答えだった。
 朝鮮の絹布は昔から外国にも良く知られている。古文書によれば紀元前から絹布の売買が隣国と行われていて、独特の織り方は文様と色が華麗で優美なので高級絹布として賞揚されていた。
 中でも多彩な縞地に風雅な文様の「多色緞子」は今も晴れ着などにも用いられている。
 「多色緞子」は朝鮮の秀麗な山河を虹に見立てて、朱、オレンジ、黄、藍、紫、白など5〜7色の縞を織り込んで、チマ・チョゴリにも用いられている。
 
 薄片の貝殻をさまざまに切ってはめ込んだ「らでん漆工品」も特産品だという。漆工は主として木地に時には金属や素焼きの陶芸品にも使われる。
 目の粗い麻布、ガーゼを数枚重ねて漆のりで器形に固めた乾漆が好評である。
 漆器の加飾法はさまざまで、らでんが最も優れている。また漆絵、蒔絵、彫漆のほかに金具、埋め物、これらを混用する加飾法もある。漆工品は、材質が硬くて清雅な趣があって、湿気や化学作用にも良く耐えて、光沢もある。紀元前の古墳からも出土していて高麗時代の四神図色漆棺や松葉型らでん箱は有名である。
 
 朝鮮は元々、宝石資源に恵まれ、貴重な宝石で装飾品や、工芸品を作ってきた。
 ユニークで精巧な彫磨術は今日さらに近代化しているが、紫水晶、白水晶、ルビー、黄玉、サファイアなどの装飾品も種類が豊富である。
 
 高麗青磁、李朝白磁などは工芸磁器と日用磁器いずれも民族色豊かで、朝鮮画独特の淡彩没骨技法によって、下絵と上絵を施している。
 そのほか「平壌刺繍」や「金銀細工」は朝鮮人特有の細やかな細工と技法で装飾性が豊かである。また、「平壌クリ」は薬効豊かなクリで、昔から高麗薬の重要な原料として用いられているという。
 朝鮮には土産品の定番である「朝鮮人参茶」「朝鮮人参酒」「松茸」「朝鮮タバコ」など以外にも多くの特産品があることをあらためて知った次第である。
 
 平壌には「平壌八景」というのがあるそうだ。「馬灘の雪解け」「乙密台の春」「浮碧楼の月」「大同江の舟遊び」「普通江の送別」「竜岳山の森」「愛蓮堂の雨景」「永明寺のあかね空」の8つをいう。
 浮碧楼に遊んだ11世紀高麗時代の詩人金黄元は楼閣に掛けられていた自分の詩歌がどれも気にいらず、全部焼き払った。
 そして苦悩の末に詠じたが、あまりの絶佳な周囲の風景に圧倒されて絶句し、筆を折ったということだ。
 
 長城一面溶々水
 大野東頭点々山
 
 この詩は「長城の下、大河は悠々と流れて大野の東には丘陵が点々と立つ」という意味で、このあとには「外国の冠、人民は凛々と退けて、豊麗の国、誉れは洋々と渡る…」と続くのである。
 今も大同門と平壌鐘閣の横「練光亭」に掛けられているこの詩歌は、彼の優れた才能と、その時の無念の想いを偲ばせているのだという。
 将来、日本人も気楽に平壌に行ってこうした風景に気軽に接することができたら良いなと思った。(小久保晴行、評論家、歌人、経営学博士)
 

●「政界の最高実力者」に対する訴追判断は、国民感覚に委ねられることになった。
 民主党の小沢一郎幹事長の不起訴処分を不当として、市民団体が12日、検察審査会(検審)に小沢氏を起訴するよう申し立てた審査。
 検察当局は嫌疑不十分と判断したが、小沢氏が民意によって起訴される可能性が出てきた。
 
 これまで検審の議決には法的拘束力がなかったが、司法制度改革の一環として昨年5月に民意を反映させる「起訴議決制度」が導入された。
 検審が「起訴相当」と判断した議決に対し、検察が再捜査でも不起訴にした場合、検審が再審査を行い、改めて「起訴相当」と議決すれば、対象者は強制的に起訴される。
 この場合、裁判所が指定した弁護士が“検察官役”を担って、起訴と公判の手続きを行うことになる。
 
 小沢氏は今回、2度に渡って東京地検特捜部の任意聴取を受けたが、政治資金収支報告書への虚偽記載について「秘書が独断でやったこと」と自身の関与を否定していた。
 関係者によると、特捜部は、衆院議員の石川知裕被告(36)が「小沢先生に虚偽記載の了承を得た」と供述したことなどから、小沢氏の立件を視野に捜査を進めたが、最終的には検察首脳が「十二分の証拠が必要」と立件のハードルを上げたため、起訴を見送ったとされる。
 
 こうした経緯もあり、法務・検察幹部の間では「検察は不起訴としたが、検審で起訴される可能性は高い」と指摘する声は少なくない。
 一方、鳩山由紀夫首相の資金管理団体をめぐる偽装献金事件でも、市民団体が先月、政治資金規正法違反罪で告発した鳩山氏を東京地検特捜部が嫌疑不十分で不起訴とした処分を不当だとして、検審に審査を申し立てており、現在、審査が行われている。
 

●鳩山由紀夫首相への実母からの政治資金問題に関連し、援助を首相が要請した可能性があると、自民党側が衆院予算委員会で指摘した。
 情報の出所とされた鳩山邦夫元総務相は「(要請は)母親に対して兄が言ったのか、秘書が言ったのかは知らない」と語り、首相の直接的な関与については明確にしなかった。
 だが、自民党側は今後、首相のカネを軸に追及するとみられ、邦夫氏の対応が鍵を握ることになる。
 
 鳩山首相は、母親から2002年から昨年まで、計12億6000万円の資金提供を受けていたとして、このうち7年分については贈与として申告し、およそ5億7500万円を贈与税で納めた。
 だが、母親からの資金提供については知らなかったと繰り返し強調していた。
 
 12日の予算委員会では、自民党の与謝野元財務・金融担当大臣が「鳩山元総務相が『兄貴は子分に配る金が必要だといって金をもらっていた』とぼやいていた」と暴露。
 鳩山首相が「まったくの作り話だ」と激高する場面もあった。
 鍵を握る邦夫氏は同日、「1年半か2年前に、電話で母親から『兄は子分を培養、いや養うために、お金がたいへん要るというが、あなたは要らないのか』といわれた」と記者団に答えた。
 
 ただ、鳩山首相自身が要請したかどうかについては「母親は、兄が『お金を無心してきた』とは言っておらず、母親に対して兄が言ったのか、秘書が言ったのかは、知らない」と語った。
 鳩山首相は先月の予算委員会で、資金提供を知っていたことが証明されれば「バッジをはずす」と議員辞職を示唆。小沢一郎幹事長の政治資金問題に対する追求に手詰まり感がある自民党では、政治とカネの問題で、鳩山首相にターゲットを切り替えた。
 
 そこで弟である邦夫氏の存在を最大限に利用する考え。ただ、これまで首相同様に、母親から資金提供を受けていた邦夫氏が「自身の問題を説明しないと、国民が納得しない」(自民党若手議員)との不満もある。
 身内の邦夫氏にダメージを与えてもでも、首相を引きずりおろす戦略とみられ、今後とも激しく追求することになりそうだ。

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