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口蹄疫悲劇の深し宮崎県 農民たちの慟哭の日々は  (05月23日)(日)

宮崎産牛豚口蹄疫が大問題になっていえる。大雨の一日である。18-23度 午前中 原稿 午後 外出 夜は「女帝解任」を読む。
 

●宮崎県での口蹄疫(こうていえき)感染拡大で、「スーパー種牛」の「忠富士」が殺処分されたことは、宮崎から子牛の供給を受けている各地のブランド牛産地にも衝撃を与えた。
 流通や飲食業界では目立った混乱はないものの、将来的な牛肉調達への影響を懸念する声も出ている。
 
 ◇滋賀
 「近江牛」産地の滋賀県では、1年間に県外から仕入れる黒毛和牛の子牛4500〜5000頭のうち、4割近い1700頭弱が宮崎産。
 改良が進み、霜降りで体の大きい牛に育つため、農家からの信頼は厚い。
 忠富士まで被害が拡大したと聞いた県畜産課の担当者は「宮崎の宝が……。完全防備していたはずなのに」と語る。
 
 同県竜王町の澤井牧場では、毎月仕入れる100頭近い子牛の約7割が宮崎産。うち約6割の40頭近くが忠富士の血統だ。今月から仕入れがストップし、飼育と出荷のサイクルは崩れている。
 澤井隆男社長(52)は「まずは事態の終息を待ちたい。落ち着けば、生き残った子牛が2、3カ月遅れで市場に出る。それを買い支えて応援したい」と話した。
 
 ◇佐賀
 「佐賀牛」で知られる佐賀県の肉用牛は、出荷頭数の14%が宮崎産の子牛から育てられている。県畜産課は「農家には子牛に合わせて積み重ねた飼育のノウハウがあり、他県産に切り替えるのはリスクが高い」と指摘する。
 質の高い種牛が1頭減れば、口蹄疫が終息しても市場に影響が出ることは否定できないといい、「とにかく早く終息することを祈るだけ」と話した。
 
 ◇長野
 宮崎から年2000頭以上の子牛を買い付ける長野県。県園芸畜産課は「今回の騒ぎが始まってから、宮崎牛の供給が止まった。農家が北海道など他地域から子牛を調達する流れが出てくるかもしれないが、全国的にこの流れが加速すると、価格高騰が考えられる。これが農家の心配の第一だ」と話している。
 
 ◇飲食店、将来に懸念 流通業界は冷静
 東京都内の宮崎牛ステーキ専門店では、5月の来店客数が前年比で2割近く減少。
 17日からの週は1日5件程度のキャンセルがあったという。関係者は「現地の方が大変。弱音を吐いていられない」と気を引き締める。宮崎県産食材をそろえる都内の居酒屋もゴールデンウイーク以降に客数が2割程度落ちたという。
 
 将来的に牛肉の調達が難しくなるとの懸念もある。焼き肉チェーンを展開するさかいは「客足に影響はない」(商品部)とする一方で「長期的には調達が難しくなるかもしれない」(同)と案じる。
 宮崎牛のしゃぶしゃぶが主力の料亭を運営するニユートーキヨーも「高級品の宮崎牛が更に高くなる可能性がある」と話した。
 
 流通業界は総じて冷静だ。イトーヨーカ堂は「宮崎産牛は通常通り販売しており、客からの問い合わせもない」。高島屋日本橋店は26日から宮崎県産食材を集めた催事を予定通り開き、宮崎牛などを販売することにしている。
 農水省は4月20日から全国の小売店約1万2000店を巡回しているが「宮崎産牛肉は扱っていません」などの不適切な表示をしていた店は5店にとどまり、いずれも同省の指導で改めたという。
 
 宮崎の畜産業者に対する支援の輪も広がっている。県産品のアンテナショップ「新宿みやざき館KONNE」(東京・新宿)に設置された募金箱には14日夕から20日までに約120万円が集まった。伊藤義夫館長は「『大変だね、頑張ってよ』との励ましの声が目立つ」という。
 

●米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設をめぐる日米の合意は、滑走路の工法を先送りするなど玉虫色の内容で、鳩山由紀夫首相が自ら期限と定めた「5月末」を目前に、「合意」の体裁を整えたにすぎない。
 沖縄県や連立を組む社民党の同意を取り付けられる可能性もなく、「最終決着」とはほど遠い中身となった。
 
  合意案は22日午前、鳩山首相、北沢俊美防衛相、平野博文官房長官らが顔をそろえた首相公邸での協議で、岡田克也外相から示された。
 クリントン米国務長官が来日した21日中の取りまとめが間に合わず、日米交渉決裂の懸念も出る中で、移設先を「辺野古」と明記することに抵抗していた首相も、最後は折れた。
 合意は移設先について米政府が求めてきた現行計画とほぼ変わらず、日本側が大幅譲歩したといえる。
 
 就任前に「最低でも県外」と述べていた首相は、自民党政権下で日米が辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に滑走路を建設するとした現行計画を白紙とした。しかし、県外、県内の移設候補地は次々と消えていった。
 実務者協議で、首相が公言した「5月末決着」を盾に、米側の交渉姿勢は強気だった。
 米側は、環境影響評価(アセスメント)のやり直しにつながるような計画見直しには応じられないとの態度を示し、杭打ち桟橋(QIP)方式など、あくまで現行計画とは異なる工法で、滑走路の位置を大幅にずらそうとした日本側の提案を退けた。
 
 米国も韓国の哨戒艦沈没で北朝鮮との対立が深まるなか、同盟国の日本との軋轢(あつれき)を深めたくない事情があり、建設場所・工法の決着先送りに同意したが、最後は埋め立てによる現行計画の微修正へと追い込まれる可能性が高い。
 埋め立ての場合、公有水面埋立法により沖縄県知事の許可が必要となる。当初、条件付きながら辺野古への移設に賛成していた仲井真弘多(なかいま・ひろかず)県知事は、首相が結論を先延ばししてきたことで、辺野古への移設は「非常に難しい」との立場だ。
 地元調整が始まれば、沖縄県側との協議が早晩行き詰まるのは確実。政府内からも「苦し紛れにまた結論を先送りにしたにすぎない」との嘆息が漏れている。

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