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身に覚えなきまま拘留裁判の 村木局長無罪放免 (09月10日)(金)

 爽やかなる朝になった。曇り 23−29度C 8時30分 トーヨー打ち合わせ 8時45分 区へ 9時30分 健康部保険予防課長 学校法人 慈慶学園の監査 NPO つぼみの監査の監査 18時 夕食会 夜は岸宣仁「財務官僚の出世と人事」を読む。
 

●北朝鮮が44年ぶりに開催を宣言した第3回朝鮮労働党代表者会の開幕時期は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の健康状態によって左右されるとの見方が浮上しているという。
 
 北朝鮮向けにラジオ放送を行っている「開かれた北朝鮮放送」のハ・テギョン代表は8日、北朝鮮国内の事情に詳しい消息筋の話として、「金総書記のコンディション回復を待たなければならないため、代表者会のスケジュールが遅れている。北朝鮮が開催時期を明言せず、9月上旬とあいまいに伝えていることも、金総書記の体調がいつになったら良くなるかわからないからだ」と述べた。
 
 北朝鮮では党大会や党代表者会(臨時党大会に相当)など、朝鮮労働党の重要行事が行われる際には、事前にスケジュールが内外に伝えられる。
 統一部によると、1980年10月10日に開幕した第6回党大会では、開幕の20日前となる9月20日付けの労働新聞を通じてスケジュールが発表された。
 
 1966年10月5日に開幕した第2回代表者会では、新聞によるスケジュールの発表はなかったが、国内ではしっかりと情報が共有されていた。しかし北朝鮮消息筋によると、今回の代表者会は国内でも開幕のスケジュールに関して混乱が起きているという。
 
 現在、金総書記は体力を回復させるために招待所(別荘)で休息をとっているものとみられている。韓国政府の安保関連部処(省庁)の当局者は、「先月末に4泊5日の日程で中国を訪問したが、これだけでも金総書記にとっては体力的に大きな負担になったはずだ。十分に休養をとったと判断されれば、代表者会がはじまるだろう」とコメントした。
 
 金総書記にとって代表者会への出席は、体力的に大きな負担だ。
 金総書記は朝鮮労働党総秘書の資格で必ず会場に姿を現さなければならず、また数千人の地方代表や放送用カメラの前で、最低でも5時間は座り続けなければならない。故・金日成(キム・イルソン)主席のように1−2時間の起立演説まで行うとなれば、より多くの体力が必要だ。
 
 朝鮮中央通信は8日0時22分、金総書記が第963軍部隊芸術宣伝隊の公演を鑑賞したと報じた。これは8月26日から30日までの中国訪問を終えてから、はじめて伝えられる金総書記の近況だ。
 第963部隊は金総書記一家の警護を担当する護衛司令部の単隊号(露出を嫌って数字で示された部隊名)で、金総書記はこの部隊の公演を今年だけですでに3回鑑賞している。統一部関係者は「金総書記が公演を鑑賞するのは疲労回復あるいは気分転換のためだ。
 遠方に行かずリラックスできる場所で、警護担当者たちの公演を見ながらコンディションの調製に取り組んでいるのだろう」と述べた。以上 韓国の朝鮮日報紙から・・・。
 

●実体のない障害者団体に、郵便料金割引制度の適用を認める偽証明書を作成したとして、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長、村木厚子被告(54)=起訴休職中=に対する判決が10日午後、大阪地裁であった。 横田信之裁判長は「村木被告が部下に証明書の作成を指示したとは認められない」と述べて無罪(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。
 
 村木被告は昨年、大阪地検特捜部に逮捕、起訴された。検察側の主張では、村木被告は04年6月、部下の厚労省元係長、上村勉被告(41)に対し、自称障害者団体「凜(りん)の会」(解散)に郵便料金割引を認める偽証明書を作成するよう指示。
 厚労省内で同会代表、倉沢邦夫被告(74)に偽証明書を渡した、としていた。検察側は、村木被告の上司を通じて、石井一・民主党参院議員(76)から証明書を発行するよう口添えがあり、厚労省が組織ぐるみで偽証明書を作ったとしていた。
 
 これに対し村木被告は「全く覚えがない」と逮捕時から一貫して無実を訴えた。
 今年1月に始まった公判で、証人出廷した厚労省職員7人全員が村木被告の関与を否定。捜査段階で村木被告の関与を認めていた証人からは「事実と違う供述調書に署名を強要された」と特捜部の捜査批判が続出した。
 村木被告の指示で偽証明書を作成したとして起訴された上村被告は「自分1人でやった。村木さんの指示はない」と証言した。
 
 検察側は、関係者が村木被告の関与を認めていた捜査段階の調書43通を証拠請求したが、横田裁判長は5月、「取り調べに問題がある。
 あらかじめストーリーを描き、検事が誘導した可能性が高い」として、上村被告の全調書など主要な34通の証拠採用を却下。村木被告の無罪判決は確実とみられていた。
 

●東京10日発 ロイター
 日銀は10日、日本振興銀行の金融破たんについて、日本の金融システム安定性に影響は与えないとの日銀総裁談話を発表した。
 
 総裁談話では「わが国の金融システムは全体として安定性を維持しており、預金保険制度に関する国民の理解も着実に深まっている」としたうえで、「日銀としては、同行の破たんは、わが国金融システムの安定性に影響を与えることはないと考えている」との見解を示した。
 
 そのうえで、「日銀は、今後とも金融市場や金融システムの動向を注視するとともに、金融システムの安定確保に万全を期すべく、預金保険機構に対する一時的な資金繰り面での協力を含め、政府や預金保険機構との緊密な連携のもと、中央銀行として適切に対応していく」とした。
 

●法務省は10日、戸籍が存在しているのに現住所が確認できない100歳以上の高齢者が、全国23万4000人に上ると発表した。
 高齢者の所在不明問題を受けて調査した結果、判明したもので、同省は住所不明高齢者の戸籍を整理する指針を作成し、全国の法務局を通じて市区町村に通知した。
 
 法務省は8月27日〜9月6日、電子化された戸籍を中心に全国の4743万9848戸籍について調査を行った。その結果、100歳以上の高齢者23万4354人は、戸籍から現住所を把握することができなかった。
 法務局別に見ると、最も多いのは東京の2万2877人で、大阪、神戸、福岡、那覇は1万人を超えた。
 
 戸籍には記載されている者それぞれの転居の履歴を記
 載した、「戸籍の付票」が添付されている。戸籍の管理は本籍地の市区町村が行い、転居先で住民登録をすると付票にも転入先が記載される仕組みだが、23万4354人の付票には現住所が記載されていなかった。このうち120歳以上は7万7118人、150歳以上は884人だった。
 
 戸籍は住民登録を抹消しても、死亡届が提出されるまで存続する。一方、付票の住所は住民登録抹消に伴い、旧住所扱いとなってしまう。
 法務省民事局は太平洋戦争時の空襲による犠牲者や、移住して海外で死亡した人の場合、住民登録のみが抹消され死亡届が提出されなかったためではないかと分析しているが、実際に死亡しているかは不明だとしている。 
 

●高知県立坂本龍馬記念館(高知市)で龍馬愛用の拳銃と同型の拳銃の展示が、銃刀法に抵触する疑いがあるとして撤去された問題で、高知県警と高知県は10日までに、再展示に向けた協議を始めた。警察庁が明らかにした。
 
 拳銃は、米スミス・アンド・ウェッソン社製の「モデル2アーミー」。8月中旬に松山市内の男性から寄贈され、約1週間展示された。
 同記念館は県立だが、委託を受けた文化財団が運営。県職員はいないため、「拳銃の展示は公務員が管理すること」とする銃刀法の規定に抵触する疑いがあるとして、県警から指摘を受け撤去していた。
 
 警察庁によると、政府が推進する「日本を元気にする規制改革100」の項目の一つとしてこの問題が取り上げられ、同館の拳銃管理担当者に県職員の身分を与えるなどして、展示を可能にする方法を検討しているという。
 

●都会以上に人間関係に気を使い、見知らぬ昆虫と格闘の日々。だ大自然に囲まれた「憧れの生活」はかくも過酷だった。という話が話題を呼んでいるが、どうだろうか?
 
 給料が上がらない時代の今、都市部で働く若者は高い家賃に生活費を圧迫され、貯金もできず、明るい未来像も描けない。そのうえ、毎朝、満員電車に揺られて通勤し、夜遅くまで酷使される。
 そんな都会での生活に疲れ、田舎での暮らしを目指す人が増えているという。折からの農業ブームもそうした現状の裏返しといえるが、まずは国土交通省が行った「二地域居住」に関するアンケートを見てほしい。
 
 「二地域居住」とは、国土交通省が地方の過疎化を防ぐために5年前から行っている施策のこと。都市住民が一年のうち2〜3か月の長期滞在、または毎月3日以上で年間1か月を農村漁村の同一地域に滞在することを指し、このアンケートでは、完全定住も含めた、都市住民たちの田舎暮らしに対する意欲を調査している。
 
 35〜39歳で見てみると、希望している(今後したいと思う)が41.1%、意欲がある(今後10年の間に実行したい)が16.2%と、程度の差こそあれ、実に57.3%の都市住民たちが田舎暮らしを希望していることがわかった。
 
 都市部に住む30代男性の半数以上が憧れる田舎での暮らし。その理由を探るため、実際に都会での仕事を辞め、Uターン(郷里への出戻り)&Iターン(地縁のない田舎への転職)をした30〜40代男性100人にリサーチを行ったところ、その理由として以下のような答えが返ってきた。
 
 「都会での生活、仕事に疲れた」という都落ち感の強い理由が筆頭ではあるが、2位以下には「物価が安いから貯金ができる」、「自然の多さが魅力的」、「趣味、仕事外の活動が都会より豊富」、「健康的な生活」と肯定的な意見が並んだ。
 
 田舎なら、エコ(低燃費)でロハス(健康的)、人間らしい生き方を満喫できる−といえば聞こえはいいが、都会の人間は“スローライフ”を予感させる言葉だけで癒された気になってしまうところがあるだけに、逆に“田舎暮らしの厳しさ”を知っておくことも必要ではないだろうか。
 というわけで、次から、体験者が語る「都会では考えられなかった田舎暮らしの厳しさ」について見ていきたい。
 
 田舎で安いのは家賃と野菜だけ。価格競争のない商品はほぼ定価だという。
 まず誰もが思う田舎の魅力に物価の安さがあるが、そこには意外な盲点があるようだ。
 
 「今の家賃は2LDKで3万6000円。東京と比べて5分の1だけど、田舎で安いのは家賃と農協で買える野菜だけ。電化製品も家具もお酒も、ほとんど定価だし、そのくせ在庫も少なくて、予約を入れても『入荷日は未定です』って返されるのがオチだからね」(島根・37歳・銀行)
 
 デフレの著しい東京のほうが、物価は安い。また、“車社会”の地方は駐車場の家賃はタダ同然で渋滞知らず。カーマニアの人にっては、それだけで魅力的といえそうだが…。
 「県民のほとんどが押し寄せる複合施設は確かに駐車台数は多いけど、田舎は一人1台感覚でめっちゃ車が多いし、長っちりの客が多いからね。休日になると駐車場1時間待ちなんてザラ。都内のデパートと変わりないよ」(滋賀・31歳・電機メーカー)
 
 「若者が少ないせいか、レンタルビデオの品揃えが少なくて古い! 海外ドラマは韓流止まりで、いまだに『グーニーズ』とか『ロッキー』が目立つ棚に置いてある。しかも、なぜか貸し出し中で余計にイラッとくる」(青森・38歳・建設)
 
 「都内で働いていた頃は会社帰りに軽く一杯が楽しみだったのに、車通勤だから帰りは飲めないし、唯一、お酒の置いてある近所の定食屋は8時閉店(涙)」(長野・27歳・不動産)
 
 「テレビがNHKを合わせても4チャンネルしかないし、深夜1時には砂嵐になる。何より地方のCMは静止画にナレーションのものがいまだに多くて、時代に取り残された感があって侘しくなる」(高知・34歳・電子部品製造)
 「これだから東京者は」のセリフに耐えがたい距離感を覚える(三重・28歳・建設)
 
 人間関係で思わぬ閉塞感を感じるケースも。「いちいち『これだから東京者は』って言われます。飲み会の誘いを断っただけなのに……。あと、方言を使わないと気取ってるって思われるらしくて、距離感を覚えますね」(三重・28歳・建設)
 
 「出戻りで就職した地元企業は効率よりも人付き合いやしがらみ重視。僕が前の会社で付き合いのあった下請けのほうが安くて仕事も早いですよと説明しても、『ここは昔っから○○さんにお願いしとるんよ。
 都会でどんな仕事してたか知らんけど、便利ならいいってもんじゃなかろうが』って。新しいことをするのがイヤなんでしょうか。頑張りがいがありませんよ」(岡山・31歳・自動車部品製造)
 考えてみれば、都市の良さとは選択の多さだ。失って初めて身にしみる贅沢だろう。
 
 妻は“不貞婦人会”に強制加入。拒めば“村八分”の恐怖が… 岩手・多田昌義さん(仮名・34歳)郵便局嘱託
 「田舎は怖いです。正直、1秒でも早く抜け出したいですね」
 そう呟く多田さんの言葉に耳を疑った。なぜなら1年前、SPA!4/28号の記事「年収100万円ライフ充実術」でUターン転職の成功例として取材したときには、「田舎は物価も安いし空気もうまい。週末にはカヌーを楽しんでます」と満面の笑みだったからだ。いったいこの1年の間に何があったのか?
 
 「近隣住民とのいざこざがきっかけで、東京から一緒にやってきた妻がノイローゼ気味になってしまって…」
 諸悪の根源は、地域住民たちによる婦人会の存在だという。
 表向きは「子供のために地域の治安を守ろう」というものだが、その実態とは…。
 
 「毎日、会合と称して集まっては、『出会い系サイトで誰々と会ったとかエッチした』なんて話をしているようで。そんなところに行くなって妻に言っても、『参加しないとありもしない噂を立てられるから…』と」
 治安を守るはずの婦人会が、ほとんど不貞妻たちのハッテン場。心配しつつも「ウチの嫁にかぎって…」と妻を信頼していた多田さんであったが、昨年末に計画されたあるイベントがきっかけで、訣別を決意する。
 
 「婦人会を仕切る会長の亭主が運送会社の社長なんですが、年末の社員旅行になぜか婦人会のメンバーも強制参加させられるというんです。おかしいでしょ? “人の妻”ですよ? オレも行くって言ったら、『婦人会の懇談も兼ねての伝統行事だからムリみたい。社長にも逆らえないし』って。さすがにそんな慰安婦みたいなマネはさせられませんから、断りましたよ」
 
 無事、婦人会を抜け出したはいいが、目を合わせれば陰口を叩かれる毎日。奥さんは外出するのが怖くなり、家にこもりがちになったという。
 夫妻への同情の念は尽きないが、田舎のルールにはかくも理不尽なものが存在するのだ。
 
 開湯900余年。吹雪くと“陸の孤島”と化す、赤湯温泉(山形)の某旅館に勤める村上さんが東京を後にしたのは、1年前のこと。浮き名が立つクラブDJとして、おしゃれライフを謳歌している最中での決断だった。
 
 東京での本業は、キャバクラへの訪問ドレス販売。月収は20万円前後。先が見えない人生への不安はいわずもがな、「年齢的にも昼夜逆転した生活がツラくなって…」と当時を振り返る。
 しかし故郷に戻った村上さんに、東京では感じなかった“苛立ち”が待っていた。
 
 「ひなびた温泉街では、まずもって同世代の人間と出会うことはありません。昔なじみの友人とたまに会っても、話題はすれ違うばかり。エリカ様の半ケツがどうだとか、スーパー海物語で2万円すっちゃったとか、『おまえら、どんだけ民度が低いんだよッ!』っていう。町中を歩いても娯楽といえばパチンコぐらいだし、夜遊びだっていいとこスナック止まり。あ、ブルーハーツとか歌ってハジけちゃうんだ…おいおい!ムダにテンション上げて、リンダリンダ熱唱するのやめてくれ!とかね(苦笑)」
 
 東京カルチャーシーンの中心で夜な夜なクラブ遊びをしていた村上さんにとって、平凡な同郷の友人とのコミュニケーションに刺激を感じないのは当然のことかもしれない。取材中、「都会では味わえない田舎ならではの魅力もあるのでは?」と尋ねると、ひと呼吸置いた後、現状についてさらに毒づく。
 
 「でもね、飲んでる最中に突然、『オレ、やっぱりアッキーナとは付き合えないわ。テレビで見たんだけど、アッキーナって野菜しか食えないんだって。そんなんじゃ、結婚してもオレ、肉料理食えないじゃん』とか、言われたらどうです?本当にどうでもいい話じゃないですか」
 郷に入っては郷に従え。村上さんは今後、田舎暮らしをどう乗り切っていくのか。
 
 都内の大手ハウスメーカーで建築士として働いていた中村さんが、妻子と共に、独立開業の場所として選んだのは、地縁のない長野県北部の地方都市。
 
 「自分の趣味に合う美術館が多くて、よく観光で来ていました。この場所に住むのは昔からの夢だったんです」サラリーマン時代に蓄えた貯金の大半を費やし土地を取得。自らが設計・デザインした北欧風の邸宅は一昨年に完成した。贅沢なベルギー調の家具が並ぶサロンスペースには石造りの暖炉があり、夜になって天井を見上げると、大きな天窓の外には満天の星空が広がる。誰もが羨む、理想のカントリーライフを満喫…かと思いきや、中村さんの表情は曇りがちだ。
 
 「田舎の虫がここまで凄まじいとは思いませんでした。冬以外は虫と格闘する毎日で、ひとときも休まる暇がありません」
 特に夏ともなれば、カナブン、カメムシ、セミ、バッタ、カマキリ、蛾とありとあらゆる昆虫が、遠く北アルプス方面から、玄関灯を目指して大挙して押し寄せてくるという。
 
 「田舎の虫は大きくて元気があって攻撃的なんです。つい最近も、体長30cmはあろうかという巨大蛾が、鱗粉を撒き散らしながら狂ったように家の中を飛び回り、家族全員パニックになりました。あと、とにかく多いのが蟻と蜘蛛。夜中に寝苦しくて目を開けたら、僕の顔に、これまた体長20cmくらいの巨大蜘蛛が這っていたんです」
 
 数日後、瀟洒な北欧家具に似つかわしくない“蚊帳”を寝室に導入したのは言うまでもない。
 毎朝、玄関先には足の踏み場もないほどの虫の死骸が散乱し、奥さんは掃除するたびに「こんな化け物屋敷だとは思わなかった」と小言を繰り返すという。
 「W杯のブブゼラなんてかわいいもんです。夜中に響きわたるカエルの大合唱に比べたら…」
 実際に暮らせば、生き物の尊い命もうっとうしいだけだ。
 
 休みといえば水曜のみ。大学卒業以来、不動産会社の営業マンとして激務をこなしていた土屋さんが故郷に戻ったのは、今から3年前のこと。東国原知事ブームまっただ中の時期ということもあり、地元・宮崎でのUターン生活に魅力を感じての、脱サラだった。実家の家業は、農業。幼い頃からハウスの中で働く両親を見て育っただけに、どうにかなるだろうという軽い気持ちでのスタートだった。
 
 「基本、すべての作業は中腰の姿勢で行わざるをえません。今でこそ少しは慣れましたが、当時は10分間中腰になっているだけでジワジワと体力が奪われ、ましてや炎天下での作業ともなると、脱水症状で意識もうろう状態。春から農作業を始めた高橋尚子が雑草取りを体験して『収穫の楽しみが大きくなった』とか話してましたが、ちょっと待ってくれと。あなた、真夏の炎天下で8時間、雑草取りをしてみなさいよ、と!」
 
 仕事とはいえ、直射日光の照り返しで息苦しい畑での作業は、想像を絶する過酷さであることに間違いはない。失礼ながら、「時給で換算するといくら…」と尋ねると、想像だにしない答えが返ってきた。
 
 「いま住んでいる集落には若い働き手が僕ひとりしかいません。それはつまり、無償でご年配の方々の畑の手伝いをすることを意味するんです。田舎ならではの、同調圧力っていうのかな。寄り合いで『腰が痛い』などと泣き言を言われて、はいそうですか!とスルーするわけにもいかないのです。これが一番、ツラい。想像できます?」
 声を荒らげる土屋さんの“生き地獄”はまだ始まったばかりだということだ。

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