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クリスマスツリーに点火ワシントン オバマ失速険しき師走に (12月18日)(土)

 今年も2週間足らずとなった。午前中 原稿 午後
 原稿 18時 夕食会
 

●各種控除や相続税などが見直された2011年度の税制改正。
 年収1500万円超の高額所得者や資産家のフトコロが狙い撃ちされることになったが、実は、庶民も油断していられない。
 第一生命経済研究所に試算してもらったら、家族構成によっては年収1000万円以下でも実質増税になるケースがあるのだ。
 今回の税制改正で庶民にも響いてきそうなのが「成年扶養控除」の原則廃止だ。
 
 現状は、成年(23〜69歳)の扶養家族を抱える人に対して、所得税で38万円、住民税で33万円を所得から差し引き、税負担を軽くしている。
 これを、所得400万円(年収568万円)超の場合は原則廃止する。
 障害者や65歳以上の高齢者については、引き続き控除の対象にする。
 法案が成立すれば、約100万世帯が成年扶養控除の対象から外れる見込みで、所得税は12年1月、住民税は13年6月から負担が増える。
 
 「成年者は独立して生計を立てるべし」というのが廃止の理由だそうだが、世の中は空前の就職氷河期。大学は卒業したものの仕事にありつけなかった子供を扶養している家庭(世帯主)などの負担は重くなる。
 「菅直人政権は雇用を重要課題としてなんとかするといいながら、有効な手だてをなんら講じられずにいる。それでいて成年者は独立して生計を立てるべしなんて、あまりにも無責任だ」(野党関係者)
 
 今回の税制改正で、低・中所得者層の家計負担はどうなるのか。第一生命経済研究所の鈴木将之副主任エコノミストに試算してもらったら、表のようになった。
 4人家族で妻が専業主婦、子供2人のうち1人が21歳の大学生、もう1人が23歳で無職のケースでは、大学生は「特定扶養親族」(16〜22歳)にあたるので引き続き控除対象になる。
 が、23歳で無職の子供については、年収568万円超の場合、成年扶養控除が廃止され、所得税で38万円、住民税で33万円の控除がなくなる。
 
 成年扶養控除がなくなると、年収700万円の場合、所得税と住民税を合わせて年7万1000円の増税に。年収1000万円では10万9000円の増税となる。
 未成年に関係するものでは、「子ども手当」が11年度から3歳未満の子供に限って支給額が7000円上積みされ2万円になる。それ以外は1万3000円のまま据え置かれるが、どちらも有り難みはいくぶん目減りしそうな感じだ。
 というのも、年明け以降、「年少扶養控除」が廃止されるからだ。これは15歳までの子供を対象に、所得税で38万円、住民税で33万円が控除されるものだが、10年度税制改正で、所得税は来年1月から、住民税は12年6月から廃止されることが決まった。
 
 このほか、「特定扶養控除の上乗せ分」もなくなる。16〜18歳の子供を対象に所得税で25万円、住民税で12万円が控除されるものだが、10年度税制改正で年少扶養控除と同じタイミングでの廃止が決まった。
 先々をみると、増税の火種はまだまだくすぶっている。民主党は「控除から手当」(控除を廃止し手当の支給に移行する方針)を打ち出しているため、配偶者控除や扶養控除はいずれ廃止になる可能性がある。
 今回の税制改正でも、配偶者控除の所得制限の実施が検討された。
 最終的には、来年春の統一地方選を前に主婦層の支持を失うことを恐れて見送られたが、「来年以降、再び配偶者控除の見直しが浮上してくる可能性がある」(鈴木氏)。
 
 さらに、来年10月から環境税(地球温暖化対策税)が導入されるほか、今年夏の参院選で民主党が惨敗し、“封印”されている消費税増税論議が再び活発化する可能性もある。
 一方、高額所得者には「給与所得控除」の所得制限が重くのしかかる。
 同控除は、自営業者に認められている必要経費を会社員にも当てはめて年収から一定額を控除し、所得税や住民税を計算するもの。
 これまで青天井だった控除額が、年収1500万円超では245万円で頭打ちになる。
 
 年収が1800万円で専業主婦と中学生、高校生の子供がいるケースでは、年少扶養控除廃止なども考慮すると所得税、住民税合わせて年31万円7000円の増税に。子ども手当と高校授業料無償化と差し引いても、年4万1000円の負担増となる。
 「国民の生活が第一」という民主党のスローガンをよそに、国民の実際の生活は一段と厳しくなりそうだ。
 

●菅直人首相と民主党の小沢一郎元代表が、週明け20日に会談する。
 小沢氏の衆院政治倫理審査会(政倫審)への出席をめぐる初の直接対決実現は、分裂含みの党内抗争がまた1段階、警戒レベルを上げたことを意味する。
 その直前の19日、小沢氏はたちあがれ日本の与謝野馨共同代表と、囲碁対局を行う。
 2007年に福田政権下で持ち上がった大連立騒動の発火点となった顔合わせだけに、「政界再編の布石では」との憶測を呼んでいる。盤上で交わされる謀略は−。
 
 17日午後、国会近くの小沢氏の個人事務所。政倫審への出席を求めにきた民主党の岡田克也幹事長と小沢氏の会談は、「幹事長対一兵卒」とはまるで思えないほど、始まる前から小沢氏のペースだった。
 午後2時、小沢氏は党本部に秘書を送り込み、岡田氏に文書で出席拒否を伝えた。
 これを受けた岡田氏は面会を申し込み、30分後、指定された時間どおり小沢事務所に急行した。
 しかし小沢氏は別の事務所で待機し、岡田氏を約20分待たせてから会談に臨んだ。
 
 約20分間の会談のなかで小沢氏は「裁判で潔白を証明する。政倫審に出る必要はない」と完全拒否。岡田氏は「この問題が来年の通常国会の妨げになる」と食い下がった。
 しかし、小沢氏に「国会運営とか選挙は幹事長が責任を持ってやることだろう」とスゴまれると、「それはその通りです」と応じるしかなく、会談は決裂。週明けに菅首相と小沢氏の会談が設定された。
 一兵卒の取り扱いでトップが引っ張り出される異常事態となった対立の行方はどうなるのか。
 
 菅首相に近い若手議員は「小沢氏は続けて出席を拒否するだろうから、政倫審で招致議決をするしかない。幹事長、代表が丁寧に説得したのに拒否した、という形をつくり、議決に正当性を持たせるのが執行部の狙いだ」と解説した。
 執行部は小沢氏を国会に突き出すことで、内閣支持率を上げたうえで来年1月からの通常国会で野党の協力を得たい考え。招致議決に逆らう民主党委員はさしかえも辞さず、小沢氏がどこまでも拒否するなら、離党勧告や除名も検討する。
 
 対する小沢系議員は、党執行部の解任もできる両院議員総会開催に必要な、党所属議員の3分の1以上の署名を「もう集まった」(中堅)と宣言。議員半数以上の出席で両院議員総会が成立し、その過半数が賛成すれば、代表や幹事長の解任も可能だ。
 民主党中堅議員は「菅首相が出てきても収拾はつかず、かえって党内の亀裂は深まるだろう。指導力が問題視される事態になる。両院議員総会が開かれれば、それをきっかけに党が分裂するかもしれない」と危機感を語った。
 
 そんななか、小沢氏と与謝野氏の対局が19日、都内で実施。インターネットサイト「ニコニコ動画」の企画で、午後3時から対局し、4時から対談というスケジュールだ。与謝野氏は「ただのお遊びの世界だよ」とおどけるが、額面通り受け止める向きはない。
 07年に自民党の福田康夫首相(当時)と民主党の小沢代表で大連立構想が持ち上がる直前、両者の公開対局が行われた前例があるからだ。このときは小沢氏が圧勝した。
 
 自民党ベテラン秘書は「この大連立は、与謝野氏が秘書として仕えた中曽根康弘元首相と盟友の渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長が絵を描いていた。与謝野氏は都内のホテルの囲碁サロンで小沢氏と頻繁に囲碁を打って、いろいろ話していたようだ」と振り返った。
 今回も、なんらかの動きの前兆なのか。民主党中堅議員が話す。
 
 「小沢氏は菅首相を見限り、強制起訴を控えているため自らは表に出ずに政界再編をすることを考えているのでは。民主党を自ら割るのか、子飼いの議員に割らせるのかまでは不明だが、目指すのは菅−仙谷ラインと真逆の『保守の救国内閣』だ。
 自民党から安倍晋三、麻生太郎両元首相、伊吹文明元幹事長ら。
 国民新党の亀井静香代表もここに加え、キャスチングボートを握りたい」
 
 「政権を取れるなら、頭の本命はたちあがれ日本の平沼赳夫代表だろう。保守の結集という意味では象徴的だ。平沼氏には健康不安があるので、与謝野氏でもいいと考えているフシもある」
 タイミングとしては、(1)年内(2)年明けて通常国会冒頭ごろなども囁かれているが、本命視されているのは、通常国会で菅内閣が立ち往生する3月頃だ。
 ただ、年明けに強制起訴を控える小沢氏にどれだけ力が残っているかは懐疑的。菅首相に近い民主党中堅議員は「苦し紛れでしょ。小沢氏の保身に協力する勢力はない。大丈夫だ」と話した。
 小沢氏の政治生命は終局に向けたヨセに入ったのか、それとも起死回生の一手があるのか。

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