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終盤戦あと三日となりてけたたまし師走の街に声をからしつ (12月11日)(木)

 4−9度C 雨で非常に寒く感じられる。8時 トーヨーでボーナス支給 8時20分 区へ 9時30分 江戸川小 13時15分 南小岩小の監査 18時30分 上一色南会館 19時 一之江小 19時30分 西小松川小の演説会
 

●米ニューヨークの空港で、大韓航空機に搭乗していた同航空の趙顕娥(チョ・ヒョナ)副社長(40)が、ピーナツの提供の仕方が悪いと激怒し、客室乗務員の責任者を機内から降ろしたドタバタ問題。この女副社長に対する韓国内の視線は厳しく、「ピーナツ副社長」などと揶揄し、非難が噴出している。事態を受けて、趙氏は職を退く意志を表明したが、グループの要職にとどまるとの見方もあり、騒動は広がり続けている。
 
 社会的地位を背景にした高圧的な振る舞いに韓国民があきれかえっている。趙氏は、大韓航空を中核企業の1つとする財閥・韓進(ハンジン)グループの2世会長、趙亮鎬(チョ・ヤンホ)氏の長女にあたる。
 
 現地関係者によると、米コーネル大学でホテル経営学を修め、1999年に大韓航空に入社。2006年、常務に昇進した。昨年、機内サービス・ホテル事業部門総括副社長に就任し、現在、KAL(大韓航空)ホテルネットワーク代表取締役なども兼任している。
 
 手腕や評判はかんばしいものとは言えず、「鳴り物入りで始めた機内での免税品販売は、販売ノルマを課された乗務員の自腹買いが関税法違反ではとの疑惑まで報じられた」とは現地の日本人メディア関係者。
 
 「大韓航空は会長の長女の趙氏だけでなく、その弟と妹も副社長、専務を務める。韓国企業では珍しくはないが、財閥2世、3世の早過ぎる昇進がモラルハザードを招く懸念が指摘されており、9日付の『ソウル新聞』は同社の(彼ら)3世役員について、『書類の束などで殴られたと証言する従業員は数えきれない』『市民団体や取材記者に暴言を浴びせた』などとも伝えた」(先のメディア関係者)という。
 
  大韓航空では2013年4月、鉄鋼大手のグループ会社常務が「(機内食の)ラーメンが生煮えだ」などと言って乗務員に暴力をふるう事件が起きた。当時は「ラーメン常務」がインターネットの流行語になったが、その事件を痛烈に批判した趙氏を、いまは複数のメディアが「ピーナツ副社長」と揶揄。騒動が英BBCをはじめ世界中で広く報じられたことから、「『江南(カンナム)スタイル』のPSYに次ぐ世界的有名人」とも嘲笑されている。
 
 趙氏は9日、職務を退く意思を表明。だが、9日付「ハンギョレ新聞」は、「大韓航空副社長および韓進グループ系列会社代表の地位も全て維持している」「表向きだけの辞任」と報道した。趙氏の行為は航空関連法規に違反しているため、刑事処罰の見通しも強まっている。
 
●振り返れば、今年4月16日のセウォル号沈没事件こそ、韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権にとって奈落の底へ滑り落ちていくステップの始まりだった。
 「秘線」(密会相手)の存在はすでに一部でささやかれていたが、沈没事件によって「空白の7時間」疑惑が浮上した。それが産経新聞ソウル支局長(当時)の記事につながり、ついには産経が引用した朝鮮日報記事の“元ダネ”である「政権の内部監察文書」に行きついた。「秘線」が側近秘書官3人に指示して、大統領府秘書室長の追い落としを狙うばかりか、政府の局長や課長の人事にまで影響力を行使してきたという内容だ。
 
 朴大統領は、文書の内容については「チラシみたいなものだ」と否定する。
 「チラシ」とは、コリアン・ジャパニーズで「怪文書」といった意味だ。その一方で、でたらめな内容とはいえ、政権の内部文書が「不法に流出したことは国家綱紀を乱す行為だ」として、検察に捜査を命じている。
 
 「検察の捜査に委ねている」と言えば、あとは何も言わずに済むとしたものだ。しかし、韓国の検察とは、不祥事に不祥事を重ねた結果、いまや政権が「産経新聞の支局長を許すな」と言えば、すぐに起訴をするような存在だ。この件に関する検察の捜査結果を信じる国民が、どれほどいるだろうか。
 
 現に大統領府を去った秘書官、更迭された閣僚らが保守系の新聞に述べている証言は、チラシの内容の正確さをうかがわせるのだ。
 が、朴大統領には、こうした「正面突破」戦術しかない。セウォル号沈没事件で、「泣いておわび」という切り札を使ってしまったからだ。
 
 この国では、大統領に限らず、政財界でも庶民の間でも、「おわび」(謝罪)した人間は、威信をガクンと落とす。まして2度目となれば…そこで「中身はチラシだ」ということにして、議員初当選時代からの側近である「3人組」も、彼らが追い落とそうとした秘書室長も抱えた体制を当面維持するしかないのだろう。
 ならば四面楚歌(そか)かと思ったら、与党が「大統領へのゴマすり合戦」というべき状況を呈してきた。きっと、目下はナンバー2の秘書室長も、「3人組」もいずれは切られる−と読んだ上での猟官運動だ。
 
 旧悪を追放した者が、もっと悪い新悪になるのが、李王朝以来の半島政治の伝統だ。朴大統領の任期は、まだ3年2カ月もあるのに、もうレームダック。あとは、レームダック政権中枢での利権をめぐる暗闘が連続し、国力が失われていくのだろう。現に朴政権は、悪化するばかりの経済指標を見ながらも、何のデフレ対策も打てずにいる。
 セウォル号沈没は「韓国沈没」への第一歩だった−後世歴史家は、そう書くだろう。以上室谷氏の原稿。

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